ブログトップ

Bagelつれづれ日記

bagel70.exblog.jp

ハンナ・アーレント

d0131851_14332767.jpg
2014年映画館での一本目です、ハンナ・アーレント。去年から観たいと思い続けてましたが、ようやく観ることができました。思いのほか、長く上映されていて、延長延長・・・されてるみたいです。その理由がよくわかるすごい映画でした。ハンナ・アーレントに対する前知識はほとんどなく、ただなんだか観たいっと思わせるなにかがあって。重い映画ではありますが、悲惨なシーンなどはでてくることなく、観るものをグイグイ引き込んでいきます。裁判のシーンは実際の映像とからませてあって、そういう表現がおもしろかったです。そして、誰もが本で読んだり、映画でみたあの悲惨なホロコーストの様子は、映像としてはいっさい登場しません。視覚で訴えず、観ている私たちもしっかり思考しないとついていけない訳です。
哲学者であったハンナは、民族の問題を越えて、人類の心のありよう、哲学的思考からのみ考察します。悪と善、だれもが絶対的悪だと思うことも実はごく普通の平凡な人間の思考停止から生み出されるということ。その信念を貫き通す姿勢に圧倒されます。講義のシーンは学生になったように、食い入って聞いてしまいます。たばこを吸う姿がかっこよすぎ。(風立ちぬよりずっとたばこのシーンは多そう)
印象的だったシーンは、アメリカに亡命したハンナに、アメリカの印象を学生が聞くと「パラダイスよ!」と一言。アメリカという国はいろんな側面をもってるけれど、やっぱり果たした役割はすごい。自由の国であるすごさ。
日本が少しずつ戦争へと近づいてるのは?という恐怖を抱いてる人にとっては、まさに、ヒトラー総統の指示に従うことだけを考えていた完全なる役人アイヒマンがごく普通の人であり、誰もがアイヒマンになり得るという底知れぬ恐怖と、自分たちの思考がどこまでそれをとめることができるのかという不安を感じるにちがいないと思います。

こんな映画観てきたよと話をすると、娘の高校の礼拝のときに映画が好きな先生の講話でハンナ・アーレント勧めてたよ、と言ってました。こういうところが、私のツボにギュッときます。毎日、いろんな先生が話される講話、寝てる子もいるし、退屈なときもたまにあるようですが、こんな風に映画の話をしてくれてたり、原発の話をされてたり、人権の話をされてたり。面白いなあと思います。なにげないところの質の高さ。勉強は自分でするもの、それ以外のいろんな刺激を与えてくださることがありがたい。
京都シネマでは1/31日まで〜


[PR]
by bagel70 | 2014-01-22 15:02 | 映画 | Comments(0)
<< 春べんとう。 冬のこや。 >>